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精神科医であり世界的に知られた日本の前衛劇団、モレキュラー・シアターを主宰する豊島重之は、地元青森県八戸市に誕生した市民アートサポート、ICANOF(イカノフ)のキュレーターも務める。
そのICANOFが三回目の企画として行った「風景にメス」展。
「風景とは何か?その風景にメスを入れる(切開する)とはどういうことか?…」を、「イカの府=八戸の街」にてマラパルテが吟味する。
Live! Edge
第3回「イカノフの味」
放送日:2004年4月10日(土) 深夜0:00〜0:45
出演:豊島重之、太田省吾、石内都、北島敬三ほか
構成・編集:佐藤英和、宮岡秀行
プロデュース:スタジオ・マラパルテ
「〈民〉をめぐって」
「イカノフの味」は青森県八戸市の〈市民〉による市民アートサポートICANOFの企画展「風景にメス」展を取材した作品だが、最近この国に〈市民〉は存在しているか、と思うことがある。
そのきっかけは、この作品のMA(整音)を行っていた夜に発覚したイラクの拘束事件だった。
その後、自己責任を巡って国中が饒舌になり、国益という言葉で、国に従属する〈国民〉と国の利害を憂う愛国者が急増していった。逆にそれ以外のものが黙殺されているとしか思えない今の日本では、これから〈市民〉が存在するには困難な時代にさしかかるだろう、と思う。
「出る杭は打たれると言うが、ICANOFは幸いなことに、はじめから出過ぎていた」
と今回の図録にICANOFプロデューサー三浦文恵さんが書いているので、ICANOFは今のところ幸か不幸か、お偉い方の理解を超えたところにいるらしい。
最後に制作ノートらしい話をすれば、この作品は本来、メスで切開した「風景の亀裂から立ち現れてくる『風景の頭部』」(ICANOFキュレーター豊島重之氏談)を見せるところを、逆に小さな針で縫い閉じた小品である。目を閉じるように、である。
それは見ないようにするためでなく、もっと見るために、である。
佐藤英和

Edge2〜今を、いきる。
第17回 次の18年を生きるために小説家は鎌倉に帰ってきた
放送日:4月24日(土) 深夜0:00〜0:30
出演者:高橋源一郎(作家)
制作:テレコムスタッフ

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